皆さんは暗号と聞いて何を思い浮かべますか?

ちなみに私は踊る暗号を思い浮かべました。秋世です。

前回の記事でお話ししましたが……

学級日誌を暗号化したら再提出喰らった話

暗号にはもっと面白い話があるんです!

まぁ確実に長くなってしまうので泣く泣くカット致しましたが、今回の記事では歴史的な点からも暗号の話をしたいと思います。(どれだけ暗号好きなんだ、ということは置いておいて)


スキュタレー暗号

暗号の歴史は遡ると古いのですが、まずは紀元前5世紀ごろに使用された『スキュタレー暗号』を紹介致します。

このスキュタレー暗号、古代ギリシャの都市国家スパルタで使われたものです。

皆さんも一度は聞いた事のある”スパルタ”、という言葉はこの都市で行われていたすごい……なんかもうすさまじい教育(訓練)方法が元になっているとか。

この頃のギリシャでは多くの戦いが行われていました。

その戦いで作戦が敵に知られないよう、使っていたものがこの暗号です。

暗号の方法は実に単純です。

  1. 木の棒と暗号を書くための布を用意します
  2. 棒に布を巻き付けて、伝えたい言葉(平文)を書きます
  3. その布を伝えたい相手に渡します
  4. 渡された相手は同じ太さの棒を使い、暗号を解読します
図1.スキュタレー暗号

相手は同じ大きさ太さの木を持っていれば、その布を木に巻き付けることで布に書いてある暗号を解読することが出来るのです。

鍵となるのが棒の太さで、これが変わると文字の順番が変わってしまいます。すると鍵を持っていない人間には謎の文字列が布に書かれているとしか判断出来ないわけですね。

スキュタレー暗号のスキュタレーとはギリシャ語でバトンの意味であり、このように文字を読む順番を変えることで暗号化する方式を転置式暗号方式と言うそうです。

この暗号、現代でも布ではなく紙を使ったり、ペンなどのもので代用出来ますね。 小学生とかが使ったら楽しそう。


シーザー暗号

次に紹介するのは『シーザー暗号』です。

こちらはスキュタレー暗号の4世紀後、紀元前1世紀にローマでガイウス・ユリウス・カエサルが使用した暗号です。

「来た見た勝った」、「ブルータス、お前もか」など、ローマの中でも更に有名な皇帝ですね。

こちらはさらに簡単な暗号で、決められた数だけずらした文字に置き換えるものです。

表1.シーザー暗号解読表

平文ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ
暗号FGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZABCDE

この場合、”LFRJ”と言う暗号文があれば”GAME”と解読できますね。

鍵となるのは何文字ずらしたか、となります。

しかし、一文字ずつずらしていけば鍵を知らない第三者にも解けてしまうもので、この暗号方式を知っている人間なら簡単に私がゲーム好きなことがバレてしまいます……

またこれを応用し、アルファベット順ではなくAはZ、BはC、CはQなど完全なランダムで全ての文字を割り当てるものもあります。

流石にこれは分からないだろうと思いましたが、文字の使用頻度で解読することが可能です。

これまた更に応用したものに次の文字で一文字ずつずらしていくというものもありますが、暗号のやり方さえ知っている貴方ならやはり私のゲーム好きがバレてしまいます。


女王メアリーの暗号

時代は飛んで、16世紀のスコットランドの女王であったメアリー・スチュアートが使用した暗号を紹介致します。

こちらのシーザー暗号をアレンジしたものでアルファベットを置き換える他、頻繁に使われる単語を記号に置き換えて使用したものです。

この暗号がシーザー暗号と同じように解かれてしまい、エリザベス女王の暗殺を企てたことがバレてしまい、処刑されてしまいました。


上杉謙信の暗号

ヨーロッパの暗号ばかりじゃないか、と思われる方もいらっしゃるでしょう。

もちろん日本でも暗号は使われていました。有名なのが上杉謙信とか長尾景虎とか言われている方です。

7×7のマス目にいろはにほへと~の並びで数字を二つ組み合わせると出てくる暗号です下の表のように対応しています。

表2.字変四八の奥義

……いや、どこかで見たことあるかもしれませんねこれ。(前回の記事参照)

ちなみにこの数字をアルファベットにして26×26の暗号表を作っている見るのも面倒な暗号があるのですが、それまたドイツだったりフランスだったりするので、興味のある貴方は是非調べてみると面白いですよ。


一風変わった暗号

ルイ14世の大暗号

さて、時代はさらに進み、17世紀ベルサイユ宮殿を建設したこれまた有名な方の暗号です。

この暗号は一族に代々伝わり家の人間以外は200年もの間、解けない史上最強の暗号と呼ばれていました。

フランスを代表するくらい有名なだけあって、アルファベットをフランスの音階に変換し、変換したものをさらに数字に変換していたのです。

……ややこしい。ちなみにそこまで変換してさらにノイズというか余計な数字をプラスすることで暗号の機密性を高めていたとか……ややこしやー

この暗号は他の暗号とも少し毛色が違っていて、文字や数字以外のものも使うという点がなかなか興味深いですよね。


ビール暗号

ビール暗号とは、ビールと言う人がアメリカに残した暗号です。

宿に泊まった彼は宿の主人に鍵のかかった箱を渡し、「自分か依頼人が取りに来なかったら、開けてほしい」と言ったそうです。言われた期限が過ぎたので、開けてみると三枚の暗号文と手紙が出てきました。その手紙によるとその三枚の暗号文には宝の場所、内容、相続者の名前が記されているようでした。

実はその三枚の暗号文……まだ解かれていないのです。

宝の内容は、彼が掘り当てたという黄金や宝石だと分かりました。

その暗号の鍵はアメリカ独立宣言書であり、暗号の方法は書籍暗号と呼ばれるものでした。

書籍暗号はある文書を丸ごと鍵として用いるもので、このビール暗号以外にもロシアのスパイが使っている暗号の方法です。

このビールの暗号は、調べればすぐに出てきます。

もし解けたなら億万長者という夢がある暗号ですね。


エニグマ

いよいよ20世紀に入ります。

ドイツの軍で使われていた暗号で、暗号の方法の中でも最も有名な方式の一つです。

エニグマは正確に言うとそれを作るための機械で、キーボードのようにスイッチが並んでおり、キーを押すと置き換えた後の文字が光るというものです。

1文字暗号化すると26種類のロータを回転させます。しかもこのロータが更に3種類あります。

こちらもシーザー暗号の進化版ですが、置き換える文字列が文字を入力するたびに入れ替わり、3つのロータを挟みさらに入れ替わるという人間には解読不能の暗号で、これまた最強と言われていたのですが――イギリスのアラン・チューリングという方に解かれてしまいます。

彼はエニグマ解読用の機械を開発しました。

エニグマが生まれたのが1918年、この機会が開発されたのが1940年なので、たった20年で解読されてしまったんですね。

ちなみにこのチューリングさんはコンピュータ科学の発展に寄与し、人工知能の父とも呼ばれていて、今度のイギリスの紙幣にもなる方なんですよ。

ちなみに、この「エニグマ」ですが、様々な所で展示されていて実際に触って暗号を作ることも出来るそうですよ。

タイプライターのようになっていて実際に光るところを見てみたいものです。

日本ではあまり展示されていないようですが、暗号が好きな方はアメリカの国立暗号博物館へ行くと良いでしょう。

ニューヨークへ行きたいかぁ!!(あるのはワシントンです)


現代の暗号

現在インターネット等で使われている暗号では、暗号アルゴリズムもその鍵も公開されています。

何故、公開しても良いのかと言うと、長くなるのですが、暗号文では鍵を持たない(知らない)と、互いにやり取りが出来ませんよね。

その鍵をどうやって送るかが今までの問題でした。

インターネットで送ると第三者に知られてしまいます。

発想を逆転させましょう。

暗号化するための鍵を公開し、そのどれを使うかと言うのは秘密にするのです。

さらに今までの暗号は同じ解読の鍵を用いていましたが、現在使われているのは暗号を作るときと解読する時の鍵が異なります。

因数分解というのを覚えているでしょうか?

ちょっと頭が痛くなる方もいるかもしれませんね、私は好きなんですけど。

数式は省略しますが因数分解することで素数が出てきます。

その素数の種類が多すぎるため例え公開されていても、どの素数が使われているのかを求めるのに天文学的時間がかかるので解けない……ということになっています。

確かに現在のコンピュータでは解くことは出来ません。が、未来より早く計算できる量子コンピュータが生まれると話は別です。

現在のネットの暗号が完全に崩壊してしまうため、また新しい暗号を作らなければならない……と、暗号の未来は明るいのか暗いのか分かりませんね。


いかがでしたか!

まだ未だに解読されていない暗号、普段使いできそうな暗号、これから解かれてしまう暗号……紹介出来ていない暗号はまだまだあります。

初めは暗号なんて謎解きにしか使わないだろうと思っていたのですが、この時代ではなくてはならないものになってしまいましたね。

いやぁ、いい時代です!

では、最後に一つ。

現代の暗号の説明になればなるほど訳が分からなくなってきたので、詳しくは暗号化されたコンピュータを使ってGoogleさんあたりを頼ってください。

普通の人にはスキュタレー暗号が限界です。

ほななー

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